ランサムウェア攻撃の79%が「ID攻撃」から始まっている
セキュリティ企業Sophosが発表した「The State of Ransomware 2026」レポートによると、ランサムウェア攻撃の79%が、パスワードの窃取や不正ログインといった「ID(アイデンティティ)ベース」の侵入経路から開始していると報告されています。さらに被害組織の67%が、発生したランサムウェアのインシデントと、その年に発生した最も重大なID攻撃が同一の事象だったと回答しており、ID攻撃とランサムウェア被害の結びつきの強さが浮き彫りになっています。企業向けの調査結果ではありますが、個人のゲーマー・PCユーザーにとっても他人事ではない教訓が含まれています。
「ID攻撃」とは何か|パスワード窃取からセッション乗っ取りまで
ID攻撃とは、正規ユーザーの認証情報やログインセッションを不正に奪い、あたかも本人であるかのようにシステムへ侵入する攻撃手法の総称です。マルウェアを送り込むよりも「正面から鍵を開けて入る」ため検知されにくく、近年のランサムウェア集団が好んで用いる侵入口になっていると報告されています。
代表的なID攻撃の手口
- クレデンシャルスタッフィング:他サービスから漏えいしたID・パスワードの組み合わせを、別のサービスに機械的に試行する
- フィッシングによる認証情報窃取:偽のログインページに入力させてIDとパスワードを盗む
- MFA疲労攻撃:多要素認証の承認リクエストを大量に送りつけ、うっかり承認させる
- セッションハイジャック:ログイン後のセッショントークン(Cookie)を盗み、認証を再突破せずになりすます
対策の基本
パスワードの使い回しをやめ、パスワードマネージャーで複雑なパスワードをサービスごとに生成・管理することが第一歩です。加えて、WEBROOTのようなリアルタイム脅威検知を備えたセキュリティソフトを導入することで、フィッシングサイトへの誘導や、認証情報を盗むタイプの情報窃取マルウェアの実行段階を検知・ブロックできます。
ゲーマーが陥りやすいID攻撃のシナリオ
ゲーマーは複数のプラットフォーム(Steam、Discord、各種ゲーム内アカウントなど)を横断的に利用するため、パスワードの使い回しが起きやすい傾向があります。1つのサービスから漏えいしたパスワードが、別のゲーミングアカウントの乗っ取りに直結するケースは珍しくありません。
| リスクの高い状態 | 推奨される対策 |
|---|---|
| 複数サービスで同じパスワードを使用 | サービスごとに固有の複雑なパスワードを設定 |
| MFAを設定していない、またはSMS認証のみ | 認証アプリ(TOTP)やパスキーを利用したMFA |
| 不審なログイン通知を無視している | 通知を都度確認し、身に覚えのないログインは即座にパスワード変更 |
| 公共Wi-Fiでそのままログイン操作 | 信頼できる回線を使う、またはVPNを併用 |
Sophosのレポートは、ID・メール・エンドポイント・ネットワークの防御を1つのシステムとして連携させることで結果が改善すると提言しています。個人レベルでも「アカウントのID保護」と「端末のマルウェア対策」を別々に考えるのではなく、両方を同時にケアする意識が重要です。
セッションハイジャックにも要注意
近年増加しているのが、ログインID・パスワードそのものではなく、ログイン後に発行される「セッショントークン」を狙う攻撃です。情報窃取型マルウェア(インフォスティーラー)に感染すると、ブラウザに保存されたセッション情報がまとめて盗まれ、MFAを設定していても迂回されてしまう可能性があります。海賊版ソフトやチートツールに偽装したマルウェアが、この種の情報窃取機能を持っているケースが報告されており、ゲーマーが被害に遭いやすい経路の一つです。
まとめ:ID保護とエンドポイント保護は両輪で
Sophosのレポートが示す「ランサムウェアの79%がID攻撃から始まる」という数字は、パスワード管理やMFAといった基本対策の重要性を改めて裏付けるものです。同時に、情報窃取マルウェアによるセッション乗っ取りを防ぐには、端末側でのリアルタイム保護も欠かせません。WEBROOT for Gamerはクラウドベースの軽量エンジンでゲームのパフォーマンスを落とさずに常時監視を行い、フィッシングサイトへのアクセスや不審なプロセスの実行をブロックします。パスワードマネージャー・MFA・セキュリティソフトの組み合わせで、ID攻撃の起点そのものを断つ意識を持ちましょう。
参考文献・出典
- Sophos - 「The State of Ransomware 2026」
- Webroot / OpenText - 「2026 Threat Report」
- JPCERT/CC - 「サイバーセキュリティ脅威動向分析」2026年版
