「有名ストアの人気ゲーム」でも安全とは限らない
「Steamのような大手プラットフォームで配布されているゲームなら安心」——多くのゲーマーが抱くこの前提が、実は必ずしも正しくないことが近年の事例で明らかになっています。「BlockBlasters」「Chemia」「PirateFi」といった実在の人気ゲームタイトルに、ゲーム認証情報の窃取と暗号資産ウォレットの吸い上げを目的としたマルウェアが埋め込まれていた事例が報告されており、その活動期間は2024年5月から2026年1月にまで及んだとされています。正規の配信プラットフォームを通過したという事実だけでは、安全性を保証できない時代になっています。
なぜ正規プラットフォームでも見逃されるのか
大手ゲーム配信プラットフォームは、審査プロセスやマルウェアスキャンを実施しているものの、すべてのアップデートやすべてのファイルを完璧にチェックすることは容易ではありません。開発者アカウントの乗っ取りや、初期リリース後のアップデートに悪意あるコードを紛れ込ませる手口など、審査をすり抜ける方法は複数存在します。「BlockBlasters」等の事例では、ゲームとしての体裁は正常に保たれたまま、裏側で情報窃取のプロセスが並行して動作していたとみられています。
特に注意が必要なゲームの特徴
- ゲーム内アイテムやスキンをNFT・ブロックチェーン技術と連携させているもの
- 暗号資産ウォレットとの接続を求めてくるもの
- リリース間もない、あるいは開発者情報が乏しいインディータイトル
- 「無料配布」「期間限定」等で急速に話題化しているタイトル
ゲーム起動時やインストール時に、心当たりのない暗号資産ウォレットへの接続要求や、ウォレットの秘密鍵・シードフレーズの入力を求めるポップアップが表示された場合は、絶対に応じないでください。正規のゲームがこのような情報を直接要求することは通常ありません。
被害の広がり方:ゲーム内資産から実資産へ
ゲーム内アイテムや仮想通貨連携があるタイトルでマルウェアに感染した場合、被害はゲームアカウント内にとどまりません。接続された暗号資産ウォレットの残高が引き出されたり、ウォレットに紐づく他のサービスの認証情報まで窃取されたりする可能性があります。ゲーム内の仮想的な資産のつもりが、気づけば実際の金銭的損失に直結してしまう点が、この種の脅威の深刻さです。
| 侵害された情報 | 想定される被害 |
|---|---|
| ゲームプラットフォームの認証情報 | アカウント乗っ取り、所持アイテムの不正売買 |
| 暗号資産ウォレット | 残高の不正な引き出し、資産の消失 |
| ブラウザ保存情報 | 他サービスへの二次被害の拡大 |
「ストアで配布されている」を過信しないための習慣
正規プラットフォームを利用すること自体は依然として重要な基本対策ですが、それだけに依存しない姿勢も必要です。特にリリース間もないタイトルや、ウォレット接続を求めるゲームについては、レビューの内容や開発元の情報を確認する習慣を持つことが推奨されます。また、ゲーム専用のウォレットと、資産価値の高いメインのウォレットを分けて運用することも、被害範囲を限定する有効な手段です。
- ウォレット接続を求めるゲームは特に慎重に開発元情報を確認する
- ゲーム用ウォレットとメイン資産用ウォレットを分離する
- リリース直後のタイトルは、コミュニティでの評判が安定するまで様子を見る
- 常駐型のセキュリティソフトでリアルタイム監視を継続する
対策:正規ストア経由でも油断せずリアルタイムで監視する
配布元の審査だけに頼らず、自分のPC上で実行されるプロセスそのものを監視する仕組みを持つことが、こうした事例への現実的な備えになります。WEBROOT アンチウイルス for Gamerは、クラウドベースの脅威インテリジェンスにより、実行中のファイルの挙動を継続的に分析し、不審な通信や認証情報へのアクセスを検知した場合に警告する仕組みを備えています。正規ストアで配布されたタイトルであっても、インストール後の実行環境を軽量な負荷で見守り続けられる点が強みです。
まとめ:配布元の信頼だけでなく実行環境の監視も
「BlockBlasters」「Chemia」「PirateFi」の事例が示すのは、正規の配信プラットフォームを通過したゲームであっても、マルウェアが混入するリスクをゼロにはできないという現実です。特にゲーム内アイテムや暗号資産ウォレットとの連携があるタイトルでは、ウォレット接続要求への警戒を怠らないことが重要です。配布元への信頼と、WEBROOT for Gamerのような実行環境そのものをリアルタイムで監視するセキュリティソフトを組み合わせることで、より現実的な防御体制を築くことができます。
参考文献・出典
- Webroot / OpenText - 「2026 Threat Report」
- ENISA - 「Threat Landscape 2025」
- Europol - 「Internet Organised Crime Threat Assessment (IOCTA) 2025」
